人から見れば幸せそうで、

「入籍はいつですか?」
なんて冷やかされたりもする俺たちだけど



実際はもっと冷めた関係なのかもしれない


一緒に居ることが当たり前だった

二人で居ればどんな困難も乗り越えられると、そう本当に信じていた














俺たちは・・・


友達以上



恋人未満

















■■■-----LIBERTY-----解放■■■





















「銀ちゃん、買い物行こう?」

「んー・・・あぁ・・・えーと、今日銀さん定春の散歩に行く日だから・・・」

「定春ならもう神楽ちゃんと出かけて行ったわよ」

「え・・・?あーアレだ、今日は午後から仕事が・・・」

「銀さん、今日も仕事ないじゃないですか、早く行ったほうがいいですよ」


はぁ?とした顔をしながらソファーの上で横寝していた銀時は、正面側に座る
眼鏡の少年、新八を見た。
新八は睨むかのような目つきを見せたかと思うと直ぐに読んでいた冊子に視線を戻した。
その違和感に銀時は上体を反らせて背後にいるであろう女を覗いたが、
そこには誰もいなかった。


「うおぁぁぁぁ!!!っ!!?」



「もう行きましたよ」

「何で早く言わねーんだよ!!!駄眼鏡!!」

「だから、さっき早く行けって言ったでしょうがァァァァァ!!!!」




急いで立ち上がり、着物の身頃を手早く直しながら銀時は外へと出かけていった。
二階、万事屋の前から下の街道を見ると、小さくなりつつあるが見える。
ダダっと音を立てて転がるように急いで銀時は階段を駆け下りた。



っ!待てって!!!銀さんが悪かったから!!荷物もちでも何でもするから!」

そのまま走りよって銀時はの後ろについた。
しかし、そんな銀時に振り返る様子も見せず黙々と歩く

心なしか歩調が早まる気さえした。


「怒ってんの?、ごめん!御免なさい!!」

横で歩きながらの顔色を伺う銀時にやっとも口を開いた。

「別に怒ってないよ。銀ちゃん来てくれたじゃない」

ふうと一つ溜息を吐いて銀時は小さく良かった・・・とつぶやいた。
にこりと笑う

(可愛いなこのヤロー・・・)

などと惚ける。
そのままふと足を止めさせると、銀時はに触れるだけのキスをした。


「・・・・今日の夕飯って何?」
「えーっと、辛いキムチ鍋とか?」

怒ってんじゃん!!!?」




キスに関しての言葉は無い。
今更人前とか
そんな事を気にしてもしょうがないとは解っているのだろう。
二人にとってのキスはもう
特別なものじゃない。

銀時は好きな時にするし
したい時にする

はソレを拒む様子もなく、自然としていた。





くすくすと笑うを恨めしそうに見つめる銀時。
は前を向きながらとても楽しそうにしていた。

(かっわいー・・・・)

ふとこういうときに考えるのだ。
ずっとこのまま一緒に居られないだろうか。
ずっとこの平穏が続かないだろうかと。

否。。。
自分がしていることは
平穏を得てしてふらりとしている様に見えるだけの虚像
その今
を自分のものにしたいなどとはまかり通らぬ我侭である。

「自由にしていい。来たけりゃ来て、帰りたけりゃぁ帰ればいい」

そう昔に言ったことを思い出す。
奇しくもその自由を言い渡した自分を

銀時は少しならずも後悔と感じ取っていた。











夕食は普通の鍋だった。
甘くも
辛くも無い水煮

こうして思うのはの心の広さ、寛大さ。

少し帰らなくても
酒に酔いつぶれて行っても
無茶をして傷だらけで帰ってきても・・・
その暖かい腕で支えてくれた。

俺が我侭を言っても怒らずに抱きしめてくれる人。
でも

それは本心の

本当の優しさなのか?





我侭を聞いてくれるのは仕方が無いから??
お互いの自由を尊重しているだけだったら・・・??


そんなものを求めているわけではない
そんな個人主義な生活ならはじめからしなければいい。

でも

自分はが居ないと生きられない
対するは個人主義にだらしなく縋る自分

自分は心から彼女を手に入れたいから


今の関係はかなりつらいものがあった。

甘くも無く
辛くも無い

水煮みたいに
素材だけが煮えたぎる

素材は際立ち光るかもしれないが

俺は我侭だからそこに強い味覚というシチュエーションが欲しい。


「まぁ・・・銀さん、辛いものは食えねーんだけどよ・・・?」









コンコン

リビングの方からが銀時の部屋に訪れたのだろう。
うちで、律儀にノックをするのはぐらいしか居ない。
襖がすすっと音を立てて開けられるとそこからお茶を持って立っているが見えた。
銀時は布団に寝転がったまま顔だけ向けた。

「おぅ、ありがとな。そこ置いといて?」

自分の布団の横を指差すとは畳の上に座ってゆっくり茶を差し出した。

「畳にこぼしたりしないでくださいね」


銀時はそう言って立ち上がろうとするの手をがっしりと掴み、そのまま引き寄せた。


「!!!?・・んぅ・・・」



そのまま上体を上げた銀時に引き寄せられる形となり重なり合った唇。
は銀時の閉じられた目の長い睫をじっと見た。

「ん・・・・・はぁ・・んぅ・・・・」
角度を変えだんだんと深くなるキスには目をぐっと閉じた。
の口端から漏れる官能的な声に銀時の体が疼く。
そのまま布団の上にを押し倒した。

「銀・・・ちゃん?」

とろりとした目に視線がぶつかる。
もう一度狂おしく銀時は唇を落とした。


・・・もうさ、銀さん限界なんですけど・・・・」


そう言っての帯へと伸びる手。
しかしはそれを拒むかのように銀時の手を掴み取り、首をふるふると振った。

「どうして・・・」

悲しそうな表情とその手の力無さに銀時は顔を歪ませた。


・・・俺だって男なわけ。好きな女前にしてずっと我慢はできねぇよ。
 キスまでなんて・・・そっちのほうが変だろ」

「ーそうかな・・・」

「そうだろ!・・・・・・・今日さ、どうして先に出てったんだよ」


低くなった銀時の声のトーン。
は自然とそれが怒りではなく”真剣”なのだと悟った。


「それは・・・行かないのは銀ちゃんの自由じゃない」


自由という言葉が痛かった。


「自由って何??が一人で買い物に行くのも自由?」
「?・・・そ・・・うだよ?」

きつくなる銀時の目にはたじろいだ。
どうしていまさら?
そんなことを考えながらはどうすることもできなくなっていた。
二人は深い干渉はせずにそれなりに長く連れ添ってきた。
急にそれが壊れる訳がわからない。
銀時が詰め寄る原因がわからない。


「二人で居るのに結局は一人で居ることが自由なのか?
 そんなモンが自由なら俺は今すぐその自由を奪いたい。を自由にしたくない。
 こんなつまらない関係を続けるくらいならこの関係を壊したほうがマシだ」

「ツマラナイ・・・関係?」


あ・・・
と銀時は口を咄嗟に押さえた時にはは既に涙していた。
チガウ
今の関係がつまらないわけじゃない!
でも


友達以上恋人未満の関係が嫌だった。
卑しくもを手に入れたいと心から思う銀時だったが
それが二人の関係を壊しかねない事も解っていた。
だから

大事に

大切にしていたのだ。彼女を。


・・・・」

涙を拭ってやりそのまま頬を撫でてやる。
それでもは泣き続けるばかりだった。



コノ醜い気持ちをどうしたらいい??

銀時はゆっくりとにキスをした。
名残惜しく唇を離して、そのまま額を付け合って小さな声で呟いた。



「俺はもっと我侭。個人主義者気取る位ならの自由を奪ってでも
 俺のものにしたいんだよ。つまらないってのは・・・アレだ、
 言葉の選択を間違えたんだけど・・・

 もっとに触れていたい。
 もっと互いに求め合える関係に・・・・したいんです・・・」



少し、弱気なところも見せて恥ずかしそうに語る銀時にはやっと笑顔をみせる。
少しだけ口角を上げて目を細めた顔はとても穏やかな顔だった。



「じゃぁ、連れてって。私を自由にしないで。」

嬉しそうに目を瞑ったは銀時の首に腕を回してぎゅっと抱きしめた。
互いの鼓動が聞こえあう程に密着した体

これほどに長く抱き合ったことはなかった。


・・・嘘とか無しな?」

もう一度触れるだけのキスをして、
銀時はの帯に再び手をかけた。

するりと解かれる音と共に帯が摺れはだける。
今度はの制止の腕は伸びてこなかった。


襟から肌を撫でるように襦袢をどけてゆくとの白く美しい肌があらわになる。


「ん・・ヤダ・・・やっぱり・・・恥ずかしい・・・」
「いいから」



襦袢を戻そうとするの手を優しく押さえ込んで首筋に唇を落とす。
銀時は強く吸い付いて鬱血させては”自分のものだと”欲を満たしていった。
首から舌を離さずに鎖骨までをツーと舌先でなぞるとは体を強張らせた。



ぎゅっと目を閉じ顔を俯かせる顔が返って銀時を欲情させる。
銀時はそのまま舌を離すことなくの着ているものを全て脱がせた。



優しい愛撫でを撫で回し、硬くなり始める両丘の蕾を口に含んだ。
気恥ずかしさと小気味良いらしい
「んぅ・・・」と小さく呻くばかりだったが銀時はそんな事も構わず愛撫を続けていく。
もはや理性は失われる一方で、貪ることだけに熱中していた。

愛撫はの体の下方にも伸び、下着の上から秘所をなぞる。


「あァっ・・・・いやぁ・・あ。んン・・・」

上気した顔に高く喘ぐ

それに一層理性を失う銀時は手早に下着を剥ぐと両足を開かせた。

「あぁん・・銀ちゃん・。。恥ずかしいよぉ、やめて・・・」
「へぇ、止めていいの?もうこんなにもグショグショになってんのに?
 放置されたほうがつらくねェ?」

わざとからかう様にしての顔を覗き込む銀時には顔を背けた。
しかし、銀時は構わず指を2本一度に秘所へ差し込んだ。

「んんっ・・・あぁん・・・」

わざと音を立てるようにして中を掻き混ぜるとあふれる愛液。
だんだんと大きくなるの嬌声。

しかし余裕の無いのは銀時も一緒だった。



「はぁ・・・俺・・・今日から関白宣言しよっかな・・・・」

ふうと一息着くと、指を引き抜き、が見えるように
その濡れた指を口に含んだ。

耳まで赤くなるに、銀時は

「もう限界・・・・」

とだけ呟いて下肢を割る。
抱きしめるようにの上体に体を重ねながら銀時は己自身をあてがった。

「力抜いて・・・・」

キスを一度したあとゆっくりと進入させた。



ズ・・・ぅ
ズプ

卑猥な音と共に訪れる異物感にの眉間に皺が寄る。
ぐっとこらえた様子に銀時もたじろいだ。

「ごめんな?痛い?」

そう優しく耳元で囁いてやるとは力なく

「ん・・・・平気」
と答えた。



そんな様子に一層増す愛しい想い。


早まる鼓動に熱を持つ体。


でも・・・・・







大事だから。


大切だから・・・・・・・・・・



優しく、割れ物を扱うみたいに

銀時は努めた。





ゆっくりと体を推し進めてはキスをして。
そのまま暫く抱き合ったままで
”己と彼女を繋ぐ絆が深まるようで”

絡み情愛

この時が嬉しくてたまらない。



「動くよ・・・?」



そう告げると銀時は少しずつ腰を動かし始めた。
はぐっとシーツを握り締めている。
その手を解き、銀時は指を交差させるようにして握りしめる。






「あぁ・・・ん、はぁ・・っ・・」



慣れ始めてきたのか少しずつ漏れ始める甘い声により激しくなる行為。

「銀・・・ちゃ・ん・・・」
「く・・・はぁ・・・・・・・」



愛している


何度言ったら君に伝わるんだろう。
この熱く焦げるような想いは君に届いている?




「んンっ・・・・あぁ!!・・もう・・・」
「あぁ・・・・」




一緒に・・・・・




ドクンと波打つ体に
互いが
互いをキツク抱きしめて。


求め合って



愛し合った。



























「ねぇ・・・・・・・銀ちゃん」
「ん?」


優しく抱きしめる銀時の腕を持ち上げるようにして
は横に向きなおした。

交わる瞳に
自然と重なった唇



「え?どしたの??」
「なんかさ・・・・」


くすりと笑って微笑んだの顔が銀時の正面にあった。


「キスも特別になった気がする」
「あぁ。」
「もう寂しくないね。」


















求めあったものは
体だけじゃない








歩幅が

そろった二人が見えた。

















君と
俺には


見えない鎖があるようで






見ないものは不確かだった。


果たしてそれは


愛という名の赤い糸
束縛という名の黒い糸






切った糸とは
如何かな









=解放=







END
2005/12/09

yuki kiryo


















甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味
愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味愛甘味甘味甘味甘味



あとがき


どうでしたか、甘?裏シリアス!
銀さんはとても難産だぁ!!


エロは・・・・
まぁ・・・・

あっはっは!

なんか最後が中途半端ですいません。
具体的には書かないほうが良いかな・・・なんて。



読んで下さってありがとうございました。
































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