苦しい・・・・・・・


息が




思うように



できない。





誰か・・・・・・・・





























呼吸困難〜死のカウントダウン〜





















「いやぁぁぁぁぁっぁ!!!!あと60回切ったぁぁぁぁ!!!」




真選組屯所内で響き渡った女隊士の声。
その声にドタバタと走る隊士達。





「どぉしたぁぁぁ!!!!!」

ガラリと音を立てるような勢いで開け放たれた襖のほうを見て
声を出した張本人
は「あ・・・」と口を押さえ込んだ。


部屋に走りこんできたのは近藤局長と土方副長。
後ろのほうには山崎がいた。


「なんだ?!奇襲か!?」
真面目な顔して、刀の棹に手をかけた副長には苦い顔を向ける。

「いえ・・・違います。」

「じゃぁどうしたんだ!!!!」

「近藤さん、顔近いです。セクハラで訴えますよ?」

詰め寄る近藤局長にはさらりと毒を吐く。





(うう・・・・
 何でこんなにも大事になっているのだろうか。
 とてもじゃないが

 今更言いづらい。
 いや、言えない。)



「どうしたの?ちゃん、凄い声だったよ」

「いや、何でもないの・・・それよりアンタの格好が凄いよ」

汗だくになって隊服を両肘と両膝まで捲り上げたこの男、
山崎退は手にラケットを持ったままで髪は酷く乱れていた。
とてもじゃないが普通の格好とは言えない。
横でにらむ土方に、山崎君は少し「ひっ」と声を上げた。
また仕事サボってミントンしてたのだろう。



その時


「う・・・・・・・・」





急に胸の辺りを押さえ込みは膝を落とし、座り込んでしまった。


「「「!!?」」」

「どうした!!苦しいのか!?」

囲むように駆けつける三人には正直耐えられなかった。






(だって・・・・)









(だって!!!)





ヒック






静かに張り詰めた空気に通る音・・・

そう

ただの吃逆。



「苦しいのは・・・・たしかです。」


回りをおどおどとしながら見上げると皆唖然と言った様子でを見つめていた。

「・・・・・それだけか?」
「ハイ・・・・・」


どっとみんなは疲れた顔をして肩を落とした。




「あんな声出すほどのことじゃねぇだろ・・・」

「だって・・・副長!!このままじゃ私・・」

「そういえばちゃん、60回がなんとかって言ってたね」

「そうです!!私あと58回・・・・ひっく!!」

「はぁ?」

「いやぁぁ!!!57回!?」

「だから!!一体何なんだ!!!!」

「私。。あと58回しゃっくりしたら死んじゃうんです!!!
 知りませんか?100回しゃっくりすると死ぬんですよ?」




厳しい土方の問い詰めにも負けず、は涙ながらに訴える。
下から上目使いをしてくるにうっと土方は後退さる。

意識してかしないでか、これが男隊員の間で脅威となる。
女ならではの甘え顔には流石の鬼の副長も弱かった。




「なんだとぉぉぉ!!それは大変じゃないかぁぁぁ!!」

「局長!!!信じないで下さい!!」

「え?そうなのか?」

「え?副長!?馬鹿?馬鹿ですか!!!?」

「上司に向かって馬鹿とはいい度胸だ・・・」



抜刀しようとする土方の後ろでなおもしゃっくりをする
山崎は必死にすがった。


「で!!でも!!ちゃん苦しいよね!!は・・・早く止めてあげたいんだけど・・・」

「退君・・・・ありがとう。」

「そうだな、が死んでしまう前になんとかしないと・・・」

「・・・・吃逆ねぇ・・・」


みんなは私のしゃっくりを止めようと何か考えてくれるようで・・・
私はそのやさしさに感謝しつつ、その場にみんなで座り込んだ。
尚もしゃっくりは止まらず定期的に音をならす。


「あれだよ、水とかどう??飲むと治るって言うよね?」

「水はさっきから沢山飲んだよ?もうお腹いっぱいだもん。」

「あぁ?そりゃぁ飲み方が悪ぃんだよ、あれ?なんだったか?グラスの逆から飲むんだったか?」

「トシ!それはちがうだろ確か逆立ちして鼻から飲むんだ!」

「いや、それって総悟のやった拷問だろ・・・」

「局長、それは女の私的にビジュアルがきついです」

「あ!!驚かすとか!!止まるって聞いたことありますよ!!」

「あぁ。それ私も聞いたことある。」

が驚くもの・・・・か」

「ちょっとやそっとじゃあ、ちゃん動じないしね」

「土方さんが副長の座を降りたら驚くんじゃねぇですかぃ?」

「あぁ!それは驚きますね。」

「はぁ!!!?なんだそれぇぇぇぇ!!!・・・・ん?」

「早く、俺に継いで下せぇ。」




「「総悟ぉぉ!!」」     「「沖田隊長!!?」」




皆が振り向くとそこには何事も無いかのように沖田総悟が座っていた。

「沖田隊長、いつからそこに!!?」

「皆で何か楽しそうなことしてるんでねぇ、さっきから見てたんでさぁ」

「おい、総悟。お前何か良いアイディアねぇのかよ。」

「要は驚かせばいいわけでさぁ、簡単簡単・・・・」


よっと腰を上げると総悟はを立ち上がらせる。
何をするものかと回りもそれを見やると相互はニィっと口角を上げて笑った。


「なんだか嫌な予感が・・・」
「なんだ?トシ、どんな予感か言ってくれ!!」
「大体、総悟があんな顔をする時はだなぁ・・・・」


、こっちを向いてくだせぇ。」
「???」

は意味が解らないまま沖田と向い合った。
にこにことおどけた様子の沖田に首を傾げる。



「きゃぁっ!!!」
その時急に腕が引かれの体が引き寄せられる。
気付くとそこは沖田の腕の中で。



「「「な!!!!!!!」」」



何時の間にやら塞がれた唇には漸く気が付いて目を見開いた。
離れようと身を捩り、手で必死に沖田の胸を押し返すもビクともしない。
がっしりと後頭部を抱えられ顔もそらせない。
もがいているともう片方の腕でがっちりと腰を引き寄せられてしまった。

「ん・・・・んぅ!!。。。。」


角度を変え、次第に深くなる口付けに絡み込んでくる舌。
は抵抗しようにもどうすることもできなかった。




「てめぇ!!総悟!!!!何してんだ!!!」
「そうだ!!!御父さんは悲しいぞ!!!」
「あぁ・・・・・ちゃん・・・・」

抜刀する土方に熱り立つ近藤。
山崎は情けなくも立ち竦んでいた。


「・・・・・・!!!!!」
苦しくては沖田の胸を叩く。
チロリと横目で沖田は三人を見るとやっと唇を開放した。

「はぁっ・・・はぁっ・・・・」
肩で息をするを他所に土方は沖田につかみかかる。
しかし沖田はふざけている様で飄々としていた。

「おまえなぁ、いくらなんでもやっていい事と悪い事があるだろうが!!」
「さては悔しいんで八つ当たりですかぃ?見苦しいぜ、土方ぁ!!」
「なぁーに開き直ってんだぁぁぁ!!!」


「・・・・・あれ?」
「どうした、。」
「・・・・・・・・とまった??」


端とわれに返るかのように四人の視線を向けられる。



「ほら。簡単だっただろぃ?」

ばちんとウインクしてくる沖田につかみかかる三人。
そんな騒動の中は腰が抜けるように座りこんだ。


















ガヤガヤと騒ぎ立てる中
は暫く呆然とした。









吃逆からは開放されたものの・・・・
まだ胸が苦しいのは・・・
きのせいだろうか


















オワッチマェェェ
END


2006/01/02

yuki.kiryo









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あとがき!


すいまっせーんしたぁぁぁ!!!
逆ハーになってない!!!!

本当はもっと局長や副長や観察に下心をだしてもらおうと
思ってたのですが!!!!

あまりに会話が多い(人数ゆえか?技量無ぇからか)ので挫折してしまいました。
逆ハ向いてないな・・・・うん。

すいませんでした!ほんと。
沖田夢ってことにしてください・・・・


ありがとうございました。